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「千と千尋の神隠し」の世界が実在する村


映画「千と千尋の神隠し」の千尋が迷い込んだ神様の世界。

日本中から八百万の神様がお湯で穢れを落としに訪れる。

そんな映画のモデルになった場所が実際に存在する。

長野の山奥にある秘境「遠山」で古より行われる「霜月祭」

12月13日その「霜月祭」に行ってきた…

ここ遠山へは実は先月にも来たのだった

長野看護協会からのご依頼で飯田へコンサートをお届けにきた次の日

ここ遠山のご出身の熊谷助産師さんが

生まれ里である遠山へ案内して下さるということで

連れて行ってっ下さったのだ

すぐに普通ではないこの地「遠山」が好きになった

そして その時この「霜月祭」のことを聞いたのだった

その霜月祭に是非行ってみたい!

そう思いながら長野から神戸へ帰りつくと

妻から「12月霜月祭へ集まることになったから!」

「そう!わかった!」

何か大きなご縁がある時はこうしてすぐに決まる

そして13日 

ここ遠山のご出身で元湘南厚木病院助産師長の長谷川充子さん

同じくここ遠山のご出身の飯田市立病院の助産師熊谷さん姉妹とお仲間の助産師さん3名

井上家そして橋本家が集まることになったのだ

飯田へ到着すると来年の8月27日に開催される予定のプラネタリウムでのコンサートの打ち合わせを行い

その後「遠山」へ向かった 

周りはすっかり暗くなっていたが

トンネルへ入った瞬間から前回感じた時と同じような感覚を感じた

「到着次第すぐに神社へ来るように」と長谷川さんのお兄さんから連絡があった

長谷川さんのお兄さんは神社の神主さんで

この「霜月祭」をずっと守って来られているお方である

この日 八百万の神様を全国からお招きする

その儀式が行われていた

神社へ到着すると背中に「神」と書かれた礼服を着たお兄さんが待っていてくださった

すぐに僕らを拝殿にあげてくださり

奥の精進部屋へと

そこで食事を用意してくださっていたのだ

後から聞いたのだが地元の方でも

この拝殿に上がったことがないそうだ

「こんなの初めてです」と熊谷さん姉妹が言っていた

本当に貴重な体験をさせて頂いた

まきでアツアツに炊かれた釜の周りを舞いながら 儀式は夜中まで行われる

初めて体験したのだが

日本中から八百万の神様が集まられると

こんなにも温かく陽気な雰囲気になるのだと不思議な感覚に包まれた

一年に一度の集まりは神様にとってもとても嬉しいことなのであろうか

普段 神社へ行った際に感じる 

静かで神聖なものとは全く異なる空気感であった

まさに「油屋」で神々が宴をしているような あの雰囲気である

こんな体験は初めてだった

そして参加している僕たちも そういう気持ちになるのだ

ここは人と人 人と神を結び 生きることの喜びを味わうことができる

そんな特別な時間のように感じた

式が進むごとに夜も更け

神様一人一人を読み上げ 聖なる湯を神々に捧げる

そして この祭りに集まった人々も

この聖なる湯を浴びることで いのちを清め 蘇りをねがうのだそうだ

湯釜から立ち上る湯気は天上の架け橋となり

これを伝わって全国の神々を湯の上飾りにお招きする

湯釜の上にある白い 不思議な紙の形をしたものが

たくさん飾られているが

それに全国の神々をお招きする

すべてが人生で初めてみる光景だった

誰が教えるということでもなく

娘も手を合わせ 頭を深く下げていた

なんとも可愛らしい姿に 周りは愛で包まれる

子供達も目の前で初めて見る光景に驚き興奮していた

これぞ見て感じる「学び」である

僕はこういう感覚で感じる体験をできる限りたくさん

味わいさせてあげたい

この後 熱湯を素手ではじくのである

そのお湯をみんなが嬉しそうに浴びる

そしてなんと!

僕も神様のお面をかぶり 舞いをさせてくれるというではないか!

ここへ来ることになっていたことが 少しづつわかっていくのである

お面をかぶせてもらい 舞いをさせて頂いた

子供達は目の前で自分のお父さんが 神様へとなる瞬間に「すごい!すごい!」と

とても驚き騒いでいたそうだ

白い清められた和紙を 口に挟に

まるで僕がいつも歌う前に感じる 凜とした緊張感に包まれながら

お面をかぶせて頂いた

一体化する瞬間

舞いを終えた人が「目の前が全く見えない」と言っていたが

僕の場合は見事に お面の目の位置と目がぴったり合っていた

後は太鼓の音とともに 湯釜の周りを3周舞うのである

人々の目線と温かな声と笑顔

お酒と釜をたく煙と熱気により舞いが より舞うのである

お面を外されると 緊張感から解放されるのだろうか

いっきにこれまでの意識が戻ってくる

元の世界へ帰ってくるのである

不思議な体験だった

神様を送りかえす儀式が終わると

神様を招きいれた白い紙を刀で切るのである

式が終わっても残る 悪い神様を切り捨てるためだという

落ちた白い紙を人々は大切そうに持って帰り 神棚へ飾るのである

僕らも頂いた

最後はみなさんに雑炊が振舞われ終わりとなる

地元の人は 今年も参加できたこと そして来年の再会を楽しみに

健康を祈りながら最後のお酒を交わすのである

最後は20年間ここでみなさんに優しい味のお料理を作られておられる

おばあちゃんとそして鎌倉宮司と長谷川師長さんと一緒に記念撮影

その日は朝5時まで宴会をし

この素晴らしいご縁に感謝しながら ここへ来ることになっていたことの意味を噛み締めたのだった

2時間ほどしか寝なかったのだが これまた疲れていないのが不思議だった

次の日はここの秘湯 神楽の湯にて疲れを癒しに訪れたのだが

なんと長谷川さんのお兄さんがここでのコンサートの打診をしてくださっていたのだ

来年 ここ遠山の花火祭の日

どうやらコンサートをお届けにこれそうだ

長谷川さんも熊谷さんも「またここでみなさんと集まれますね!」と

とても嬉しそうな笑顔だった

今度は僕がみなさんへ恩返しをする番だ

遠山のみなさんにこうして招いていただけるなんて 本当に嬉しい

こうやって繋がっていくこの不思議な感じ

やはりこの長野とは深いつながりがある 

今も書きながらあの日の1日はまるで夢のようだった

今年の最後にこんなにも素晴らしい体験をさせて頂いたことに心からの感謝

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